生前整理ーやることリストー
生前整理とは、人生の終わりに備えて自身の持ち物や財産などを整理することです。終活の一環として行われますが、必要な物以外は持たない「ミニマリスト」の暮らしが話題になってからは、20代や30代など若い世代で生前整理を行う方も増えてきているようです。
残された家族の負担も軽減でき、残りの人生について考えるきっかけにもなる生前整理は、年齢問わず早目に始めることをおすすめします。
今回は、生前整理でやるべきことを紹介します。「何から始めたら良いか分からない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
リストの作成
生前整理はやることが多いので、体力、気力、判断力、決断力が必要です。
いきなり生前整理に取り掛かろうとすると、作業量の多さに挫折したり、「あっちの片付けを忘れていた」などの作業漏れがあったりして、スムーズに進まなくなってしまいます。
そうならないために、あらかじめやることをリストにして、ひとつひとつ確認しながら作業を進めていくことをおすすめします。
今回ご紹介する生前整理のやることリストは、一般的なものです。ご自身の状況に合わせて段取りをしましょう。
不用品の整理・処分
まずは身のまわりの物から片付けていきましょう。必要な物、不要な物、保留の3つに分別し、不要な物は思い切って処分・売却します。
売却する場合には、リサイクルショップに持ち込む、宅配買取サービス、フリマアプリなどを使う方法があります。
必要な人に贈与したり寄付することも処分の方法の一つです。
判断に迷う物は、一旦保留にしておいて時間をあけてから判断をしましょう。
保留した物は、「1年以上使っていない物は不要」など、ルールを設けると仕分けしやすくなります。
家具や家電などで使っていないものや、捨てずに取ってある物の処分の検討も必要です。
特に、家具や家電は大きく重いものがあるので、体力があるうちに整理・処分することをおすすめします。
思い出の品や写真、日記や手帳、食器、衣類などの思いのこもった品や身に着ける物などは、本人以外は片付けづらいので、優先的に整理するとよいでしょう。
所有財産の整理と財産目録の作成
現在保有する財産を明確にするため、財産目録を作成します。ご家族が相続財産を調査するという負担を軽減し、相続などの手続きも進めやすくなります。
財産の例としては、預貯金・定期預金、有価証券、不動産、土地、車、美術品、宝飾品などです。財産の内容だけでなく、わかる限りで金額や評価額を合わせて記載しておきます。
また、財産の保管場所も書いておくと、ご家族がひとつひとつ探す手間も省けます。
各種ローンや未払金などのマイナスの財産の記載も忘れないようにしてください。
財産整理をしていくと、不要な銀行口座やクレジットカードが出てくる場合があります。そういった場合は、生前に解約しておきましょう。
加入している保険についても内容を確認し、見直すことも大切です。
公共料金や年金の整理
電気やガス、水道などの公共料金の支払いをご自身の名義にしている場合は、亡くなった後は公共料金の解約もしくは名義変更が必要となります。
契約者の口座が凍結されると引き落としが出来なくなるので注意しましょう。
公共料金をご自身の名義で支払いしている場合は、引き落とし口座やその会社についての情報をまとめておくと安心です。
また、年金についても、どのような年金に加入しているのかを残されたご家族が把握できるように整理しておきます。
年金を受けている方が亡くなった時にまだ受け取っていない年金や、亡くなった日より後に振込みされた年金のうち、亡くなった月分までの年金については、未支給年金としてその方と生計を同じくしていたご遺族が受け取ることができます。
残されたご家族が困らないように準備しておきましょう。
エンディングノートの作成
エンディングノートとは、終活ノートとも呼ばれます。亡くなった時や意思疎通ができなくなった時などに備えて、家族や友人に伝えておきたいことや自分の希望などを書き留めておくものです。
ご家族はこのエンディングノートを参考にして、様々な判断や手続きを進めることができるので、書いておくととても安心です。
書いておく内容は、ご自身の情報、財産目録や遺言書に書ききれなかった情報、介護や終末医療の方針、家族・友人へ伝えておきたい希望やメッセージ、ご葬儀やお墓などの死後の対応方法などですが、エンディングノートに書く内容に決まりはありません。
書いていくうちに、やり残したことややりたいことが見つかるかもしれません。
デジタルデータの整理
スマートフォンやパソコンの中のデジタルデータの整理も必要になります。
近年では個人情報などのデジタル遺品も増え、遺族が処分に困る例も多くなっています。
不要なデータを削除したり、IDやパスワード、メールアドレスなどを記録しておきましょう。ただし、その記録の保管には注意が必要です。
ハッキングの被害なども考えられますし、デジタルデータには大切な個人情報が含まれるため、細心の注意を払わなければいけません。
サブスクの見直し
月額料金がかかるようなサブスクリプションなどの有料サービスを利用している場合は見直しをしましょう。
不要であれば解約、サービスを引き続き利用する場合はその詳細について把握し、記録しておく必要があります。
友人・知人リストの作成
ご自身が亡くなった後、連絡をとってほしい友人・知人がいる場合はリストを作っておきます。古い友人への連絡先が現在も有効かどうか確認しておきましょう。
また、自分の葬儀に呼んで欲しい友人・知人についても記載することをおすすめします。
葬儀・お墓の準備
ご自身の葬儀に関する希望や要望をご家族に伝えることも大切です。
信仰する宗教、希望する葬儀の内容、葬儀に呼んでほしい人、費用などを検討します。
遺影に使ってほしい写真があれば、その写真の保管場所と共にご家族と共有しておくとよいでしょう。新たに遺影用の写真を撮影する方も増えています。
また、お墓もどのような弔い方を希望するのか、誰に管理を任せれば良いのかを考えておきましょう。お墓の所在地や連絡先についても共有しておくと、残された家族がスムーズに手続きすることができます。
遺言書の作成
確実に資産を分けたいと考えている方は、法律に則った遺言書の作成が必要となります。
遺言書に記載できるのは、遺産の引き継ぎ方や遺族へのメッセージなど「死後」のことのみです。加えて、書き方も法律で厳格に定められており、不備があると無効になってしまいます。確実な遺言を遂行したい方は、遺言書作成を専門家に相談することをおすすめします。
亡くなった後や、病気などで意思表示が出来なくなった場合の希望を自由に書きたい場合は、エンディングノートを利用しましょう。
まとめ
生前整理はやることが多く、かなりの時間を要し、体力、気力、判断力、決断力が必要です。
生前整理を自分たちで行うことが大変な場合は、プロの業者に依頼するのもひとつの手です。
作業量が多くなって時間がかかってしまう時や、ご自身で進めるのが困難だと感じた場合は、生前整理を代行してくれる業者への依頼・相談を検討されてみてはいかがでしょうか。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!